プロジェクト始動2014年07月13日 07:03

 blogプロジェクトを開始する。

 朝から雨。梅雨末期とは言え、さすがにこれだけ激しい雨が多いと閉口する。
 その後も天気は不安定。ただ蒸し暑い。

 家族でレンタルDVDの返却を兼ねて買い物へ。
 贔屓にしていた書店が、この春のリニューアルで岩波の新刊を入れなくなってしまった上に、売り場面積も大幅削減したので、かなりがっかりしている。また遠くの書店に足を運ばねばと思うと、これまた閉口する。

 地方在住者には現物での文化のサポートは困難な時代になってきた、というより、バブル前の状況に逆戻りした感がある。ネットがある分いくらかはマシだが。

 新聞に、地方の書店やCDショップの消滅はアマゾンを筆頭にしたネット通販が原因だから、アマゾン禁止法をヨーロッパに倣って作るべきだという投書があったが、はなから地方書店やCDショップには、売れ筋のものしかなく、本当に文化の下支えができていたかどうかは疑問だ。むしろアマゾンのようなネット店舗によって、やっと地方にも文化の下支えができたという方が正しいだろう。アマゾンは地方在住者にとっては福音である。
 書店やCDショップを育てるには客と店との協調が必須。商売だけではなく、文化の供給もこれらの商店の地域での役目であり、商店の主人は文化人であると同時に商売人でもあった。また、そんな店を贔屓にする「読み上手」「聞き上手」な客もいた。
 それが崩壊して、金儲け優先になったのがバブル期だったような気がする。売れるものしか置かない店ばかりが乱立し、そういう店のみが生き残る。文化に憧れる人々はみな都会に流れた。もっともその文化すら俗物文化に過ぎないものがほとんどだったが。そして「読み上手」「聞き上手」も店から姿を消していった。
 そんな中、乱造されるラノベ市場で読書好きの若者をいつまでも囲い込み、それを金蔓として太っている出版業界。MP3の配信で十分な楽曲と音質で、CDの音質すら不要とした商品を乱発し、大衆音楽を支配した音楽業界。文学や音楽の鑑賞をきちんと教えることのできない学校教育。地方の文化を担う商店が軒並み崩壊したのは、ある意味業界の自業自得とも言える。
 アマゾンを禁止したところで、文化的な商店を支える顧客の数は地方では充足し得ない。アマゾン禁止が実施されれば、地方での文化流入は壊滅するだろう。
 地方に根付く伝統文化を振興すればいいではないかという声が聞こえてきそうだが、あたらしい風が吹き込まないようでは、現代に繋がる伝統文化は生まれ得ない。変化の余地のない伝統文化は、ただの残骸に過ぎない。
 学びさえも金で買える。努力も金で代えられる。そんなふうに金で学びをアウトソーシングすれば、文化は崩壊する。そして、すでに地方はそうなっている。息を吹き返すには、自分で苦労しながら、新しい世界を学ぶことしかない。周囲のものに原因をおっかぶせて、それを叩いてよしとするのは、あまりに浅薄な考え方ではなかろうか。NO-TVデー運動然り、ゲーム罪悪論然り。アマゾンなどのウェブ店舗もまた然り。物言わぬ道具に人の世の不都合の責任をかぶせるのはそろそろやめにすべきだろう。物を使うのはあくまで人。
 昔のアニメソングにも「いいも悪いもリモコン次第」というやつがあったのを思い出した。