ハリウッド映画の凋落2015年04月07日 05:56

 ハリウッド映画の凋落が著しい。

 大作との触れ込みでやってくる作品が頻繁にずっこける。渋い映画はもとより客が集まらない。娯楽大作も続編やリブートばかりで、飽きられてしまう。

 おまけに予算も高く、シリーズ物さえ予算が立たずに制作のめどが勃たないこともあるという。

 ずいぶん前からハリウッド映画はその予算の大きさと興業成功時の収益の高さで、かなり投機的な存在となっていた。その結果、スポンサーはより確実に売れる作品、つまりヒット作の続編やリブート、話題の原作の映画化に投資する傾向が高まっていた。

 これでは制作する側も、観客よりスポンサーを、もっと言えば人よりカネを見て作品を作ることになる。観客そっちのけで作ったものに、いいものが生まれる道理はない。

 かつてのアメリカン・ニュー・シネマや、低予算映画から、80年台のハリウッド映画の快進撃は生み出された。再びハリウッド映画が甦るには、低予算で良質な娯楽作品こそが求められるのだろう。