「僕のワンダフルライフ」を観る2017年10月28日 22:34

 映画「僕のワンダフルライフ」を観る。

 お付き合いで観に行った作品。自分で選択するなら、まずチョイスすることはなかっただろう。

 ディズニー+アンブリン、この図式がそのまま作品になったような映画だ。まさに良い子のための、「世界名作劇場」や動物感動もののバラエティ番組のノリ。お茶の間で家族全員で観るのが適当。

 主人公がデニス・クエイド。80年代の「インナースペース」や「ライトスタッフ」あたりの作品で、アメリカ映画にお決まりの反知性主義的ヒーロー像の具現者としてのイメージが強かったが、今回もそんな雰囲気が濃厚だが、キャラクターとしての整合性が今ひとつはっきりしなかった。

 もう一方の、というよりこちらのほうが主役級の「犬」の主観「犬格」。まあ、言ってしまえば、ゲームの主観プレーヤーキャラだ。一生が終わったら画面がボケて、次の瞬間次の犬の体の中で覚醒。肉体の性別が変わっても精神は男性メンタリティのまま。ウケ狙いかもしれないが、せいぜい一発芸程度。輪廻転生がラストのネタに繋がるのだからやむを得ないとは言え、生命の一回性という視点は当然ない。なにせ死んだらスグにリスタートなのだから。見ている側も安心して「犬」が死ぬのを見ていられる。

 手堅く作った絵本をそのまま映画にしたような作品だと言える。そういう作品が好きな向きには、そして犬好きであればなおのこと楽しめるだろう。若いカップルの無難なデート映画としては十分機能するのではないか。

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