Concrete and Goldを聴く2017年10月30日 22:15

 FooFightersの新作、Concrete and Goldを聴く。

 グランジの色彩が濃厚な一方で、どこかナイーブな感覚もあるFooFightersだが、Everlongのアコースティック・バージョンからは、オリジナルとはまた違った、静謐な祈りにも似た世界を感じる。そんな彼らの最新作。

 現在のアメリカの政治や社会に対する態度表明は明確にされているが、元来アメリカのロックやフォークは政治的色彩を隠さない。このアルバムもアメリカ社会の今の重苦しさを象徴するような、美しくも切ない曲、”T-Shirt"からスタートする。そして、てんこ盛りの大作”RUN”へ。

 ポール・マッカートニーがドラムを叩くトラックや、後期ビートルズを彷彿とさせる曲、ラストの地の底から湧き上がるような祈りにも似た曲、最後の最後に飛び出す反抗の叫び。ずっしりと重く、そして希望と反骨。

 心地よく耳に飛び込むわけではなく、狂騒に駆られるわけでもなく、愚直なほどにまっすぐ、しかし豊穣な曲が聴くものを圧倒する。そして、どんと荒っぽく、しかし無類の優しさと誠実さで背中を押してくれる。そんな一枚。

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