crowfield blog

　ポピュリズムを成立させる秘訣は、なんと言っても国民の知的レベルを抑制することに限る。自由で論理的な思考は何としても奪いたい。ひとときの感情的高揚を衝動的に求めるほどの理性の低さが望ましい。

　そのためにまず、感情に訴え、理性的判断を曇らせながら、国民の思考を統制する。また、教育においても大量のデータを短時間で処理させるような内容を増強し、じっくりと思考するのではなく、機械的処理速度と精度に重点を置く。露骨にやり過ぎるとばれる上に、ドロップアウト組も増えてしまうので、適当に手綱を緩めては締めるなどしておけばよい。

　そのつぎに国民の不平不満を確実に把握し、その原因として他者を設定する。それは国内の特定の集団であってもいいし、海外であってもかまわない。いっそエイリアンなら、世界規模のポピュリズムもあおれるが、それはまだ遠い未来の話。まだ我々はそこまで「人類」という概念をきちんともっていない。

　これだけの準備ができれば、あとは国民の不平不満の種を見つけ出し、その原因としての他者を攻撃すればよい。

　だが、このシステムには大きな問題もある。このような社会で育成される人物は、当然論理的思考力に欠け、感情的かつ恣意的な行動パターンに走りがちとなる。こういった連中が為政者となると、これは「衆愚政治」どころか、「皆愚政治」となってしまう。

　さて、いま、この国は、以上のようなこまった状況から、どれだけ遠いところにいるのだろうか。