「フィフス・エレメント」を観る2018年05月17日 00:30

 リュック・ベッソンの「フィフス・エレメント」を観る。

 ずいぶん久しぶりに観た。いい意味で「おバカ」そのものの映画だ。テイストはB級映画といった感じ。ブルース・ウィルスは口うるさいママの電話攻撃に辟易する、離婚歴ありのもとエリート退役軍人。一方、ヒロインはミラ・ジョヴォヴィッチ。エキセントリックな上に、ナイーブでどこか吹っ飛んでいる役どころ。

 ほかの登場人物もみんな、どこか間が抜けていて、到底シリアスな作品とは言えない。だからといってSFXやアクション、ビジュアルはきっちり。キッチュというか、ナンセンスというか。

 少々ご都合主義がきつい、ワンポイントギャグ満載の「セカイ系」アニメを、本気になって作ったらこういう作品が出来上がるだろう。妙に真面目ぶったりシリアスぶったりせず、豪快にハイスピードでぶっちぎる。そう、よくできた少年漫画のテイストそのものだ。あっさりヌードになろうとするジョヴォヴィッチに対する男性キャラクターの反応が、これまた実に少年漫画っぽくお上品。

 フランス人の感性は、日本のサブカルとかなり近いような気がする。こういう「おバカ」に大枚つぎ込んで、「おバカ」そのものを映像化してしまう、そういう遊び心が潔くてよい。

 この映画に付き合いきれない時は、きっと遊び心が枯れてしまった時だろう。そういう時こそ人間要注意だ。笑って、ドキドキハラハラして、最後にニヤッとする。後には何も残らないが、時間を無駄にしたという気持ちも残らない。遊びの映画、いいなと思う。

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