秋の夜長2018年10月26日 22:59

 秋の夜長、風情のある言葉だと思う。

 秋の夜長の無聊を凌ぐ音楽、書物などなど。そういう時間が現代人から奪われてどのぐらい長い時間が経っただろう。

 気候のよい秋、年度後半が始まる秋。あれこれと忙しく日々を過ごし、夜長を楽しむようなゆとりが失われてしまっているのではないか。

 そんな悠長なことを言っているのは贅沢だとおもう向きもあるかもしれない。だが、逆に世の中これほど豊かになったと言いながら、秋の夜長のお楽しみというささやかな贅沢すら許されないというのは筋が通らない。

 夜が長かろうが短かろうが、24時間営業のコンビニが津々浦々に点在する現代、夜の長さを気にすることももう意味をなさないのかもしれない。そういえば夜店もすっかり流行らなくなった。

 本当に、豊かになったのやら、貧しくなったのやら。