TPP発効…ということは…2019年01月02日 23:44

 昨年末にTPPが発効した。マスコミが大きく騒ぐわけでもなく、アメリカが脱退したことで、世間の注目度も下がっていたが、いざ発効というタイミングでもさほど報道は大きく取り上げなかったように思う。

 アメリカが脱退したが、悪名高い「ミッキーマウス法」に準拠した著作権70年延長は継承され、今年の元日で著作権が切れるはずの著作者の著作権は20年お預けということになった。

 この20年間で、一体どれくらいの著作者の作品が失われるか、あるいは希少となるか。市場が駄作を淘汰するとの考えもあるが、市場を支える大衆の眼力が信用に足るかどうかは、昨今の世界中の政治状況、投票状況を見る限り、盤石とはいい難い。失われる作品、忘れられる著作者はこれまで以上に増えるだろう。

 著作権は著作者及びその遺族の生活を保証する意味を持つ。著作者の没後50年ともなれば、配偶者が物故する可能性は低くないし、遺児も常識的に考えて、経済的に自立していると考えるべきだろう。これを70年に延長して潤うのは企業体であって、著作者の家族にはむしろ過剰保証ではないのだろうか。ミッキーマウスの著作権保護が目的ではないかとの揶揄から生まれた「ミッキーマウス法」という名称は、あながち毒舌とも言えない。

 CCCDやSACDの例を考えれば、著作権の保護を肥大化させたために崩壊した、あるいはしつつあるフォーマットさえある。BDもその轍を踏んでいる。過ぎたるはなお及ばざるが如し。

「ボヘミアン・ラプソディ」を観る2019年01月04日 23:05

 話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観る。

 ストーリーから言えば、王道すぎるほど王道を行く音楽映画と言える。定石通り、こういう作りで外れるはずはない。作品中で揶揄された「パターン」をきっちり踏んだ作りと言っていいだろう。おまけに題材がクィーンなのだから、よほど下手なひねくりを入れるか、盛り込み過ぎでパンクしない限り、外れようがない。そして、この作品はその定石を見事に完成している。

 だが、それだけでは単によくできたアベレージ映画に過ぎない。この作品がそれを超え、高い評価を受けている理由は、なんと言っても題材であるクィーン自身の曲の力そのものだ。ラストのライブ・エイドの再現(完全ではないらしいが)の素晴らしさは言うまでもないが、彼らの残した楽曲そのものの圧倒的な力、そして歌詞がそのままこの作品の全てを要約しているかのようにストーリーと密接に響き合っている。

 まさに作中にある通り、定石を突き破ったのがクィーン自身だった。深読みすれば、それを納得させるための定石通りの映画だったのかもしれない。大スクリーンで、大音響で、美しい音質で、珠玉の名曲の力を全身で感じながら観たい作品。果たして家庭のTVでこの力が十分に享受できるかどうか。劇場で観るべき作品だろう。

「赤い河」を観る2019年01月06日 22:01

 「赤い河」を観る。1948年制作、ハワード・ホークス監督に主演ジョン・ウェインと来れば、往年の西部劇の王道のような作品だ。

 恋人を失い、14年の苦難の末、わずか一つがいの牛を1万頭近くにまで増やした大牧場の主、ダンソン。だが、南北戦争のあおりを受けて、牧場経営は困窮。ダンソンは9000頭の牛を引き連れ、商機を求めて東部へと移動を開始する。かつて自分がその目で確かめた鉄道を当てにして。
 しかし、複数の伝聞情報はダンソンの目指した場所より近くまで鉄道が伸びていることを伝えた。伝聞情報を信用せず、強引に東部への移動を強行しようとするダンソン。一行の支持はうすれ、ダンソンの養子マシューまでがダンソンに反抗、足を負傷したダンソンは置き去りにされ、一行はマシューが引き連れて近くの街へ。一方復讐に燃えるダンソンはマシューの後を追う。だが、ダンソンとマシューは心の底では互いを認め合っていた。

 鉄の意志の男二人の意地の張り合いを制すのは、鉄火肌の西部の女。これもまた西部劇のお約束だ。伏線の回収がうまく行っていなかったり、オチが強引だったりするのはご愛嬌。日本で言えば時代劇なのだから、細かなところをあげつらっても仕方がない。
数千頭の牛の大暴走や移動の苦難、先住民や盗賊の恐怖など、スリルもある。史観が現代から見ればかなり偏っていたり、差別的であったりするのが気になる向きもあるだろうが、製作年代を考えればこれもやむをえまい。

 殴り合い、女にどやされ、頭が冷え、そして仲良くなる。どこかで見たような話の原型が西部劇にもあるのかもしれない。

「王たちの道2: 死を呼ぶ嵐」読了2019年01月09日 22:57

 「王たちの道2: 死を呼ぶ嵐」を読了。

 上下二段組、500ページ弱の長編、物理的に読むには時間がかかる。これで原作1巻分の2/3がやっと終わったことになる。

 複数の主人公の物語が並行して続いていくが、一番過酷な運命に振り回されているのはなんといってもカラディンだろう。好きだった女は政略結婚で奪われ、最愛の家族も救えず、自分自身も奴隷に身を落とし、いまや消耗兵にしか過ぎないブリッジマン。定めを覆して自分と自分のチームを生存させようとすれば、戦略的混乱を引き起こし、処罰を受けて半死半生の目に会わされてしまう。何度もへこたれ、くじけながらも、心のどこかに闘志が残り、必ず立ち上がってしまう。彼に付き従う風スプレンのシルが、萌キャラ的な存在となってカラディンを影に日向に支えているのがほほえましい。

 家族の危機を救うため、王女ジャスナーの非後見人となったシャラン。驚くべき映像記憶能力と画才、回転の早い頭脳を見込んだジャスナーにしごかれながら、次第に学問に魅了されていくが、それは家族を救うことと相反してしまう。彼女もまた一歩前へと行動を起こし、それが思わぬ展開を引き起こしてしまう。

 兄である国王を暗殺された名将ダリナル。兄が晩年傾倒した古代の伝承に彼もまた惹かれ、平和を希求するようになり、長く続く兄の弔い合戦を集結させるべく行動に出るが、周囲には加齢による衰えとしてしか認識してもらえない。息子に代を譲ることを決意した彼は、遅々として進まない和平工作に取り組んでいく。

 ラノベ系のほんわかした世界がファンタジーだと思っている向きには全くおすすめできない。ダークでハードな世界観で展開する、長く、そして魅力的な世界にどっぷり浸ることができる、どっしりした好著だ。次巻で「王たちの道」は完結。本国ではこの続編も複数巻刊行されているらしい。それもおそらく大部となるだろうが、翻訳されることを期待したい。

インフルエンザ流行中2019年01月11日 23:32

 インフルエンザが流行し始めた。私の周囲にもかかった方がおられる。

 予防接種を受けていながら、症状もかなりしっかりでてしまうらしい。どうやらワクチンがうまく機能しないタイプのインフルエンザも流行し始めているのだろうか。

 いずれにせよ、手洗い・うがい・換気の励行が予防の基本だ。気をつけるにこしたことはない。