vN読了2019年02月17日 23:04

 マデリン・アシュビーの「vN」を読了。

 人間を傷つけるだけではなく、人間に対する暴力シーンなどを完治しただけで、最悪の場合、機能不能に陥ってしまう「フェイルセーフ」を内蔵したアンドロイド、vNが人間と共存し、結婚まですることが認められるようになった時代。必要なvN用「食料」を摂取すれば、数ヶ月で成人し、さらに食料を摂取すれば自己複製(その場合複製されるのは赤ん坊状態)する、そんなvNだが、ダイエットによって生育時間はコントロールされる。

 人間の父親とvNの母親を持つvNの娘、エイミーは5歳。ダイエットによって人間と同じスピードで生育し、幼稚園の卒園式を迎えたその日、彼女の運命は大きく変わっていく…

 バイオレンス連発のノンストップ・アクションだが、あちこちに先行作品のオマージュや日本のアニメの印象が飛び出してくる。作者アシュビーは日本のサブカルチャーの研究に携わっていたということだからうなずける話だ。

 とにかく、エイミーや彼女を助ける男性型vNのハピエル、そしてその息子たちの魅力的なこと。戦闘系美少女ものの骨子だが、その裏に搾取や支配、抵抗と暴力といった問題も含まれる。この作品も後にシリーズ化されているというから楽しみだ。