「大本営発表という虚構」を読む2020年01月02日 17:12

 保坂正康「大本営発表という虚構」を読み始める。

 昨今の某国において繰り返されるなんとも不思議な言説には首をひねるより他ないのだが、そのたび、デタラメで誰も信用しない公式報道というイメージがつきまとっている「大本営」という言葉をつい連想してしまう。とはいえ、その実体を肌で感じることのできた世代でもないので、実際はどんなものだったのかと思って読み始めてみた。

 冒頭近く、こんな記述がある。

「本来私たちの国は冷静さや誠実さをもっているのに、現実が苦しくなると、それを認めたくない、認めるのは辛いということで言い逃れをし、嘘をつき、そのあげくに大局を見失うということになる。
 それこそが大きな教訓になっている。」

 教訓になっているかどうか、怪しいと言わざるを得ない。そしてこの指摘が的を射ているのは、現代では日本だけに限らない。