イヤホンを新調2020年03月13日 23:00

 長く使ってきたpanasonicのフック型イヤフォンが壊れてしまったので、それを機にちょっと高めのイヤフォンを購入した。

 audiotechnicaのATH-LS50のレッド。このシリーズでは最安値のモデルだが、なにせ田舎の家電店では、これでも最高級品扱いである。選んでいる最中も店員が寄ってきてはあれこれと素人臭い釣り文句を言ってきた。うっとおしかったのもあり、audiotechnicaのヘッドフォンは以前から好きだったので、購入。

 スマホやタブレットでまずはお試し。もちろんアプリはTechnics Music App。豊かだがボンつかない低音、スッキリとした中高音で、派手さは感じなかったが、空気感や定位の良さは明らかに違う。使用直後の音のぬるさはエージング不足(大抵のイヤフォンやヘッドフォンはエージングすると音が落ち着く。自分の耳とヘッドフォン、お互いのエージングもある)だろうと判断し、しばらく使い続けてみる。

 数日経つと、低域と中高域のバランスが落ち着き、すうっと伸びる中高音と沈み込む低域、ジャズやロックのビートが心地よい。クラシックも悪くない。イヤフォンにありがちな低域を絞って中高域の抜けを良くするウォークマン的なチューニングでもなく、重低音を売りにしたイヤフォンのようにボンつくファットな低域でもない。心地よいバランス。

 これならとVolumioのライン出力にsansuiのST32トランスをつないででインピータンス整合したヘッドフォン出力につなぐと…爆音!今までこんなに大きな音ではなかったと、慌ててソフトウェアボリュームを絞ると、50%程度でなんとか実用的なボリュームに…もちろんVolumioのソフトウェアボリュームをここまで絞るとビット落ちで音質は劣化する。空気感が薄れて、下手をするとスマホのTechnics Music Appよりプアな感じに。調べてみると、これまでのイヤフォンのインピーダンスは20Ω。LS-50のインピーダンスは…11.5Ω!これまでの約半分しかない。インピーダンスが低ければ、簡単に言うとボリュームは大きくなるので…爆音に。

 慌ててボリューム調整機能付き延長ケーブルを買い込んで試してみると…一安心。VolumioもLS-50も本領発揮と言ったところか。ここまでくれば、やはりポータブルアンプが欲しくなる。

 実売で7000円弱、ネットだともう少し安いかも。普通のユーザならちょっと考える値段だが、とんでもなく高価と言うほどでもない。ちょっとした贅沢レベルか。ちょっとした贅沢レベルで、得られる音楽体験はそれ以上のものになる。もっとも、音源のプアさも見えてしまう製品でもある。つまらない音に聞こえるイヤフォンなのか、イヤフォンがつまらない録音を暴くのか。音響機器の評価にはこの問題はつきものだ。少なくともこのイヤフォンは、いい録音をきちんといい音で聞かせてくれる。プアな録音もそれなりに。モニタータイプとはそこが違うようだ。