慣れない新年度2020年04月04日 23:17

 新年度が始まった。職場でも新しい人間関係ができる時期だ。

 新しい陣容での業務再開で、いろいろと気を使うことが多い上に昨今の騒ぎだ。普段の仕事とは様相も変わってしまっている。

 おかげで妙に疲れが溜まる新年度のスタートになっている。

恐れていたことが…2020年04月05日 23:01

 恐れていたことが現実になってきたようだ。

 新型コロナウィルスはどうやらこれまで考えていた以上に厄介で物騒なもののようだ。大都市部では文字通り危機的状況だし、先の見通しも立たない。

 病気との戦いは教育力の戦いであり、想像力の戦いでもある。正しい医療知識と、その知識をもとにした想像力、それを実行に移す冷静さが必要だ。

 SF小説の大衆化と大衆の科学知識とは比例すると、どこかで読んだことがある。その点ではこの国はもうずいぶんお寒い状況だ。想像力もどうだろう。自分の行動が他人にどんな影響を与えるかを想像する文脈は、他人と自分を比べることを避ける風潮からは逆行した思想だ。自分らしさ、オンリーワンは言い換えればロンリーワン、他者排除にもつながる。冷静さはこの数ヶ月の消費動向を見れば、とても期待できそうにない。

 本当に怖いのは、病気だけではない。有名なコメディアンの命を代償として、やっと本気になった都市部の人々だが、地方ではまだまだ危機意識は薄い。そして危機意識の薄い方へと病気は広がっていく。

 カミュの「ペスト」が売れているという。ついでにコニー・ウィリスの「ドゥームズデイ・ブック」も読むといい。平和な地方の生活が、どのように病気で崩壊するか、その悲惨さもよくわかる。

raspberry pi 4を使ってみる2020年04月06日 23:42

 ひょんなことから必要ができて、raspberry pi4を手に入れた。4Gメモリの本体にUSB-Cで3Aの推奨電源が供給できるACアダプタ、それにraspberry pi4から採用されたマイクロHDMIと通常のHDMIの端子がついたケーブルも合わせて購入。これでも10000円を割るのだから、本当に安い。

 raspberry pi4は発熱対策が必須なので、ジャケット型のヒートシンクも購入。こちらも2000円程度。micro-SDカードは32GBで十分、これも1000円ちょっとで手に入る。キーボード・マウスは手持ちの安物で十分。ディスプレイはもちろん従来使っているもの。もちろんTVにつないでもいい。

 OSはraspbian。今はbusterと呼ばれるバージョンになっている。ダウンロードして、Etcherで焼いて、おしまい。あとはLANをつなぎ、モニターをつなぎ、micro-SDカードをスロットに挿し、マウスとキーボードをUSBにつないで、電源を差し込めばOK。

 初期設定も問題なく、あっさりと起動。mozcを入れて日本語対応も完了。アプリは好みで。

 今回からマイクロHDMI端子が2つになってデュアルモニター(4K)が可能となっているが、電源端子に近い方のHDMI端子でないと、デフォルトでは音声が出ないといった嵌りどころもある。しばらくはいろいろといじってみたい。

 実はこの間、ubuntu-mateにも手を出したのだが、それはまた次の機会に。

「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」を観る2020年04月11日 22:31

 「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」を観る。

 以前からずっと気になっていた映画。地方のシネコンではまず観ること能わず。レンタルショップも激減している昨今、amazonへの依存率は高まる一方。

 デヴィッド・ボウイのポートレイト、マーク・ボランのポートレイト、イギー・ポップのポートレイト、YMOの「ソリッドステート・サバイバー」のジャケットと、鋤田正義の名前を知らなくても、その作品は目にし、深く印象付けられている。その一つ一つを再確認しながら、多くのアーティストたちが鋤田にまつわるエピソードや考えを語るドキュメンタリー。

 衝撃的なのは、少年時代の鋤田が撮った、祭りの浴衣に笠をまとった母のポートレイト。笠で顔が隠れた横顔でありながら、母親への愛情や女性への憧れ、敬意のようなものまでが画面から溢れ出すような一枚。ボウイの「The Next Day」は、「heros」の鋤田が撮影したジャケット写真の顔の部分を大胆に白い正方形で抜き取ったものだったが、他ならぬ鋤田の写真以外ではこのような画面ができないとデザイナーが語るシーンがある。ポートレイトの核心は顔のはずだた、鋤田のポートレイトはこの少年時代の一枚からすでに、その核心であるはずの「顔」がなくても成立してしまう魅力と力にあふれている。

 なぜ彼にこのような稀有なポートレイトが撮れるのか。多くの人が彼の観察眼の確かさを語るが、その根本にあるのが被写体に対する深い愛情に根ざしていることは間違いがないだろう。

 年代を超え、文化や土地を超え、ジャンルを超える力の源は、あふれる好奇心とその根底にある他者への愛情ではないか、そんなことを、声高ではなく、しみじみと考えさせられる映画だった。

感染症があぶり出すもの2020年04月15日 07:21

 警察ドラマでは、上層部の頑迷さや低俗さはお約束の設定だった。保身、威信保持といった性向が上層部の人間の行動を拘束し、現場を混乱や危険に陥れ、状況を悪化させるのは定番のストーリー展開だ。「事件は現場で起きている」というセリフが有名なドラマに至っては、警察署トップの白痴的キャラクターのあまりのバカバカしさに辟易させられるほどだった。昨今の報道によると、それが現実となったのだから、呆れ果ててしまう。すでに現実はコメディを超えてしまっている。あのヒトラーですら、地位を手に入れてからは地球をあしらった巨大風船で遊ぶようなことはしなかっただろうに。

 巷にはモラルも自粛の意味も理解できていないような人があちこちにいるようだ。溢れているとは言わないが、決して珍しい存在ではない。こういう情けない行動をとる人々の中でも、特に高齢者のそういう姿を見聞きすると、自分は絶対にあんな高齢者にはなりたくないと心から思う。反面教師としてありがたく師事したいものだ。

 アルコールに二種類あることをご存じない方も少なくないという。メタノール(メチルアルコール)が有毒で危険だということは、戦後の食料不足の時代、酒の代わりにメタノールを飲んで死者が少なからず出たことで巷間に知られたはずだったが、それすら忘れている(あるいは知らない)高齢者が多いようだ。若年者に至っては学校の理科あるいは化学で学んでいるはずだが、忘れ果てているのだろう。学校での学習が実生活では根付いていないか、保健・安全に関わる「保健」という科目が受験科目でなないので、無視されている実態が現れているのか。

 今回の感染症があぶり出したのは、どうやら社会と人の心に巣食う病巣のようだ。こちらのワクチンは一人ひとりが自分の心の中で作り出していかなければならないだろう。