「紙」か「データ」か2022年02月06日 15:16

 本は読むのだが、田舎者ゆえ店舗にあるとすぐ買ってしまう悪癖が抜けない。田舎では一度店舗からなくなると、本の入手は一気に困難になってしまう。注文しても要領を得ないままになったり、すでに版元品切れになってしまっていたり…手元不如意でそのうちにと思っていると、店舗から消え去り、ネットでは品切れ、中古価格は高騰、そんなことも珍しくない。

 第一、読む速度も考慮せずに買い込むので、勢い「積読」が増える。気がつけば家中本があふれるという体たらくになってしまう。

 そこに行くと電子出版のデータ本はありがたい。大判の雑誌などはピンチイン・ピンチアウトしないと字が読めずに面倒なこともあるが、活字本なら問題ない。だいたい何冊あってもサイズも重量も同じというのがありがたい。長大なシリーズ本も平気である。

 それに、電子出版の場合、紙の本より若干お値段も手頃なことが多い。これは魅力だ。

 だが、物としての本の所有の喜びやワクワク感は電子出版にはあまり感じない。読み終わったときの達成感も、物としての成果が見えないので、なにかあっけない。読み終わった時、ほんとにこれで終わったの?と感じてしまう。紙の本なら物理的に終わりがわかるのだ。

 棲み分けが一番いいのだが、棲み分けの線引きがまた一苦労。