追悼報道を見ながら2023年02月21日 21:29

 昨日につづいて、松本零士の訃報絡み。

 追悼報道があちらこちらで行われている。

 今の40代より若い世代は、松本マンガを手にとって読んでいるかどうか怪しいだろう。メインの作品の享受はリアルタイムではないし、アニメ作品も同様。だが、50代以上ともなるとそこそこ知っているのではないか。ヤマトもハーロックも999もどこかしら引っかかっている。

 なのに、松本マンガに流れる反戦や生命尊重、平和希求といったテーマはあたかも「今初めて」発見したかのような報道の多さ。そのようなテーマを世代を超えて伝えることはできていなかったのか、それともリアルタイムで享受した層がそのテーマを読み取ることができなかったのか。

 それとも「たかがマンガ」に「テーマ」などを求めようというスタンスが全体的に薄かったのか。それなら、一体誰がそんな薄いスタンスを広めていたのか。

 フランスが松本作品にシュヴァリエ勲章を与えた意味も含めて考えてしまう。この国は自国の文化の正当な評価を他国にしてもらわないといけないという歴史を延々と繰り返し続けなければいけないのだろうか。