2019年の国内映画興行収入2020年01月04日 17:26

 昨年の国内の映画興行収入が過去最高を記録したそうだ。

 確かにメガヒットと呼ばれる作品も多く登場したし、シネコンが全国に展開して集客力をアップさせたことも原因だろう。

 だが、シネコンによって映画館は淘汰され、シネコンで観ることができるのはハリウッド大作か、キャスト動員を見込める邦画ばかりで、本当に面白い単館系の映画や、アメリカと日本以外の国の映画などは、シネコン以前に比べ、地方都市では目にすることすらなくなった。

 シネコンの殆どがデジタル化され、もはやフィルム上映できる映画館も少なくなっているという。資本投下されてデジタル化される旧作はともかく、そうではない状況下の良作はフィルムとともに朽ちていく恐れもある。

 邦画に目をやれば、ゲリラ的に攻めた作品もなくはなかったが、ある程度の年齢を過ぎ、アイドルなどに興味のない層にはまったく訴求するものがない。お付き合いで数本そういう映画も見たが、苦痛以外の何物でもなかった。それでも金を落とす客がいるし、雲行きが怪しくなればシネコンから作品を引き上げてコンテンツ化すれば良いというそろばんもあるのだろう。それに、良質の映画だからといって客が金を落とすとは限らないのはいつの時代も同じことだ。

 こういう薄っぺらい作品が邦画には多かったように思える。興行収入が過去最高と浮かれているが、すでに急速な衰退の萌芽は現れているように思えてならない。

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