黒糖焼酎「れんと」を飲む2020年01月01日 20:27

 家族が帰省して、少し大所帯となった。勢い酒の好みも違い、リビングのテーブルには数種類のボトルが並ぶことになる。

 そんな中でもずいぶん久しぶりの登場となったのが黒糖焼酎「れんと」だ。発売されたのは平成にはいってからの焼酎で、発売当初に「音響熟成」(タンクにクラシック音楽の振動を与えて熟成効果を得る製法。振動にはダイナミックレンジが必要なのでクラシックが最適とのこと)という面白さと黒糖焼酎という珍しさも手伝って一度飲んだことがある。その後焼酎からは離れたので、今回は久々の再会ということになった。

 きれいなブルーのボトルは変わらず。25度なので少々強め。口に含むと黒糖のかすかな甘い香りと、やはり上品な甘さが口に広がる。甘さはしつこく残ることはなく、スッキリと消えていく。上質の白ワインに近い感覚だ。もっとも度数が高いので、飲みやすいからと言ってグイグイやると足元が怪しくなるのは間違いないだろう。

 価格も手頃だし、スタンダードな焼酎が苦手な向きには良いかもしれない。

「大本営発表という虚構」を読む2020年01月02日 17:12

 保坂正康「大本営発表という虚構」を読み始める。

 昨今の某国において繰り返されるなんとも不思議な言説には首をひねるより他ないのだが、そのたび、デタラメで誰も信用しない公式報道というイメージがつきまとっている「大本営」という言葉をつい連想してしまう。とはいえ、その実体を肌で感じることのできた世代でもないので、実際はどんなものだったのかと思って読み始めてみた。

 冒頭近く、こんな記述がある。

「本来私たちの国は冷静さや誠実さをもっているのに、現実が苦しくなると、それを認めたくない、認めるのは辛いということで言い逃れをし、嘘をつき、そのあげくに大局を見失うということになる。
 それこそが大きな教訓になっている。」

 教訓になっているかどうか、怪しいと言わざるを得ない。そしてこの指摘が的を射ているのは、現代では日本だけに限らない。

大統領の指示を受けて…2020年01月03日 15:59

 トランプ大統領の指示を受けて、イランの司令官が攻撃を受け、死亡したという。

 相手を「テロ組織」だと認定すれば、宣戦布告もなく他国で攻撃を仕掛け、人命を奪うということだ。テロ組織の認定が恣意的に流れる危険性は排除できない。過去の人類の歴史は権力者の恣意的な「敵」づくりと弾圧、そして恐怖政治、その後の混乱と崩壊、反省と再建を繰り返している。

 スクラップ・アンド・ビルドならまだ良いが、スクラップ・アンド・スクラップではどうにもならない。

 伊藤計劃の「虐殺器官」でも、「テロ組織」の要人の暗殺は極秘作戦として描かれていた。公然と攻撃を仕掛けた今回の出来事は、「虐殺器官」よりもさらに恐ろしい世界の展開とも思える。

 「虐殺」を起動するキーは、もうすでに何度も開放され、今も発動しているのだから。

2019年の国内映画興行収入2020年01月04日 17:26

 昨年の国内の映画興行収入が過去最高を記録したそうだ。

 確かにメガヒットと呼ばれる作品も多く登場したし、シネコンが全国に展開して集客力をアップさせたことも原因だろう。

 だが、シネコンによって映画館は淘汰され、シネコンで観ることができるのはハリウッド大作か、キャスト動員を見込める邦画ばかりで、本当に面白い単館系の映画や、アメリカと日本以外の国の映画などは、シネコン以前に比べ、地方都市では目にすることすらなくなった。

 シネコンの殆どがデジタル化され、もはやフィルム上映できる映画館も少なくなっているという。資本投下されてデジタル化される旧作はともかく、そうではない状況下の良作はフィルムとともに朽ちていく恐れもある。

 邦画に目をやれば、ゲリラ的に攻めた作品もなくはなかったが、ある程度の年齢を過ぎ、アイドルなどに興味のない層にはまったく訴求するものがない。お付き合いで数本そういう映画も見たが、苦痛以外の何物でもなかった。それでも金を落とす客がいるし、雲行きが怪しくなればシネコンから作品を引き上げてコンテンツ化すれば良いというそろばんもあるのだろう。それに、良質の映画だからといって客が金を落とすとは限らないのはいつの時代も同じことだ。

 こういう薄っぺらい作品が邦画には多かったように思える。興行収入が過去最高と浮かれているが、すでに急速な衰退の萌芽は現れているように思えてならない。

新しいこと2020年01月05日 22:37

 そろそろなにか新しいことを始めなければならないと思うようになった。周囲からもそう勧められることが増えた。

 後先考えずに取り組むのが一番いいのだろうが、なかなか踏ん切りがつかない。昔に比べて、物事を「面白がる」気持ちが衰えてきているのかもしれない。

 ひとまず溜め込んだ未読の本や未鑑賞の映画をこまめに見ることにしようかとも思うが、それももともと自分の好みで集めたものばかりだから、本当に新しいのかどうかと言われれば、確かに…

 とまあ、こんなふうに踏ん切りがつかない。