ブーレーズのラヴェルを聴く ― 2018年11月25日 22:26
ブーレーズが指揮したラヴェルの作品集を聴く。
おなじみの「ラ・ヴァルス」や「ボレロ」、「道化師の朝の歌」などが収録されている。それもいかにもブーレーズらしい、怜悧でシャープな演奏となっている。ラヴェルの鮮やかな管弦楽技法がはっきりと聴き取れ、歯切れのよい現代的なラヴェルだと思う。名演奏だと言っていいだろう。
だが、どこかなにか足りないと感じてしまう。クリュイタンスの残した名盤と比べてしまうと、どうもなにか座りの悪い感覚がある。端的に言えば「鮮やかすぎる」と感じてしまうのだ。
クリュイタンス盤は録音の古さやオーケストラの技術の古さもあり、ブーレーズ盤のようなシャープで性格な演奏ではない。音の立ち上がりがひょろっとしていたり、リズムが少し緩かったり、アンサンブルが緩んでいたりと、今風に言えば解像度の点で一歩譲る。だが、クリュイタンス盤にはなんとも言えない香りのようなものがある。それがブーレーズ盤には感じられない。言ってしまえば、フィルム画質の旧作映画をデジタルリマスターで今風の高解像度にしたり、モノクロフィルムに強引に着色をしてしまったような感じで、きれいではあるけれども、その代償になにかを忘れてきてしまったような、そんな感じを持ってしまった。
もちろん、クリュイタンス盤を知らない、あるいは魅力を感じない人には的はずれなコメントだろう。だが、いまだにクリュイタンス盤が名盤と呼ばれる根拠も、そのへんにあるのかも知れない。
おなじみの「ラ・ヴァルス」や「ボレロ」、「道化師の朝の歌」などが収録されている。それもいかにもブーレーズらしい、怜悧でシャープな演奏となっている。ラヴェルの鮮やかな管弦楽技法がはっきりと聴き取れ、歯切れのよい現代的なラヴェルだと思う。名演奏だと言っていいだろう。
だが、どこかなにか足りないと感じてしまう。クリュイタンスの残した名盤と比べてしまうと、どうもなにか座りの悪い感覚がある。端的に言えば「鮮やかすぎる」と感じてしまうのだ。
クリュイタンス盤は録音の古さやオーケストラの技術の古さもあり、ブーレーズ盤のようなシャープで性格な演奏ではない。音の立ち上がりがひょろっとしていたり、リズムが少し緩かったり、アンサンブルが緩んでいたりと、今風に言えば解像度の点で一歩譲る。だが、クリュイタンス盤にはなんとも言えない香りのようなものがある。それがブーレーズ盤には感じられない。言ってしまえば、フィルム画質の旧作映画をデジタルリマスターで今風の高解像度にしたり、モノクロフィルムに強引に着色をしてしまったような感じで、きれいではあるけれども、その代償になにかを忘れてきてしまったような、そんな感じを持ってしまった。
もちろん、クリュイタンス盤を知らない、あるいは魅力を感じない人には的はずれなコメントだろう。だが、いまだにクリュイタンス盤が名盤と呼ばれる根拠も、そのへんにあるのかも知れない。
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