crowfield blog

　この国では、芸能人が政治発言をするとバッシングされる。アイドルと呼ばれる芸能人や、若者を中心に人気のある（あるいは過去にそうであった）芸能人は特にそうだ。

　どうもバッシングの根拠には、そういう芸能人は知的に未熟で、社会人としての知的能力がないという前提があるようだ。またはそういう存在であってほしいという願望か。

　明らかに独立した個人として芸能人を認めていない。子役ならばともかく、ティーンエイジャーを超えた芸能人なら、未熟な点はあるにしても、政治発言のひとつやふたつしても決しておかしくない。「青年の主張」に出てくる未成年は素晴らしく、芸能人はだめだとでも言うのだろうか。まして成人した芸能人の発言は、その内容に関して様々な意見はあるにしても、発言という行為自体を否定するのは弾圧そのものだ。

　人を見下して弾圧する人間は、必ず自分の気に入らないすべての人間を弾圧する。芸能人の政治発言をバッシングする連中は、必ず自分の気に入らない人間をあれこれ屁理屈をこじつけてバッシングするようになる。それも、無責任に。

　そこに理論や理性はない。あるのは卑屈で薄っぺらい、何の根拠もない優越感と、濫用される権力だけだ。