「イエスタデイ」を観る2021年08月17日 12:09

 「イエスタデイ」を観る。2019年のイギリス・アメリカ映画。監督は「トレインスポッティング」のダニー・ボイル。

 一発ネタといえばそれまで。主人公が交通事故から目覚めると、世界が違っていて、そこにはビートルズも、タバコも、ハリー・ポッターも、ジェネシスもいない(なぜかストーンズはいる)。

 売れないミュージシャンだった主人公は、この世界で、記憶に残っているビートルズのナンバーを演奏し、次第にビッグになっていくが…これ以上書くわけにはいかない。

 ただ、彼が目覚めた異世界は、現実とはかけ離れた世界だとも言える。誰も彼もみんな底抜けの善人ばかり。一番嫌なヤツでも、金儲け大好きなだけで、他人の私生活を支配するだの、色仕掛けでどうのこうのなどというようなことがない。ラストに至っては、それはないだろうと思わず言いたくなるような良い子の展開。そして、なんとあの人物も登場…(誰かは作品を観ること!)

 善人の世界で、失われたのがビートルズ…ビートルズのメッセージが必要ない世界ということか。そう考えると、このおとぎ話がとんでもない皮肉であるようにも思える。イギリスらしいブラックさか。

 深く考えずにほやっと楽しんで(ドタバタコメディとしてもよくまとまっている)、ブラックな皮肉でニヤリと笑って…ひと粒で二度美味しい作品。もちろんビートルズナンバーも。

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