電子書籍か紙の書籍か2014年08月21日 21:33

 Kindleで「The Year's Best Science Fiction」を読んでいると、知人に「電子書籍で本を読むのに抵抗はないの?」と聞かれた。

 「The Year's Best Science Fiction」などという、B5版全600ページ超のペーパーバックを読むのには、Kindleは実にありがたい。昨年の途中までは紙媒体を読んでいたが(というより、それまでKindle版がなかった)、とにかく厚くてかさばってしょうがない。どこでも持って行ってちょこちょこ読むなどという芸当ができるシロモノではない。第一電車の中でそんなぶっとい本を取り出して読むなど、想像できない。だが、Kindleなら問題なしだ。

 そう言えば、昔なつかしのPalmに青空文庫を落としこんで、「金色夜叉」やら「大菩薩峠」を読んでいたのだから、いまさら抵抗も何もない。巻数の多い書籍やサイズの大きな書籍を寸暇を惜しんで読むには、電子書籍は最適だ。

 しかし、寂しいのは、物理的に読んだ量や残り量、重み、紙とインクの匂いといった部分の欠落。書籍に含まれる情報以外の付帯情報もまた読書の楽しみではある。まあ、映画を家で観るか、映画館で観るかの違いに近い。

 要するに、電子書籍の登場で、同じ本を楽しむ方法が増えたということだろう。もちろんそれには費用もかかるが、それをまかなえた上で、二つの本の楽しみを享受するのも、豊かさというものではないか。

 電子書籍を敬遠するより、新しい本の楽しみを手に入れる(もちろん、人によってはハズレということだってありうるが、読書は一種の道楽なのだから、そのリスクを回避する事自体、野暮ではないか?)方が豊かではないか。

 何事も「一種類(画一性)」なのは、簡単だけれど、面白くない。やっぱり「いろいろ選べる(多様性)」方が楽しい。