ツイッターのアカウント凍結 ― 2023年07月20日 21:02
自治体や言論雑誌のツイッターのアカウントが停止されるという出来事があちこちで起きている。経営者が変わり、迷走と、露骨とも言える運用基準変更が目立つ。
だが、いくら大きなシェアを持っているとはいえ、海外の私企業が運営する営利目的のプラットフォームである以上、運用の恣意性や不安定性は当然あるはずだ。それはツイッターであろうが、マイクロソフトであろうが、アップルであろうが同じだ。経営が苦しくなれば、ある日突然「さよなら!」と言われてもどうしようもないし、自国の利益に反するような、あるいはスポンサーやその背後の存在の利益に反するような存在を排除するのは当然といえば当然。
そう考えれば、私企業であろうが自治体であろうが、他国の私企業にべったり依存することのほうが異常だ。今回は「すレッズ」という対抗馬がいち早く登場したが、これとて他国の私企業のサービスであることに変わりはない。
ツイッターはひとりごと、つぶやきなので、もともと言論や公共サービスといった責任ある情報には本質的にそぐわない。政治思想や政策論争などもってのほかとは以前から思っているが、自治体が広報手段として利用していたアカウントを凍結されてうろたえるのは明らかに危機管理意識の欠落の結果だ。オープンソース環境を基本とし、自前でプラットフォームを開発、維持、管理して始めて危機管理と言えるのではないか。それをサボって「買ったほうが安いね晩のおかず」とばかりに他国の私企業のサービスにおんぶに抱っこではいかんともしがたい。AI一人負け国家と言われても反論できまい。国内企業にしたところで、マイナンバーカードのトラブル対応は「稚拙」とまでこき下ろされる体たらく。あきらかに人材育成や技術面の対応ができていない。ハードウェア的に囲い込みに血道を上げてガラパゴス化してしまい、PC-AT互換機に完全に制圧された屈辱的経験から得られた教訓は全く生かされていないようだ。
中東はかつて石油を武器にしてオイルショックを世界中に引き起こした。ロシアはいま食料を武器に世界に揺さぶりをかけている。ツイッターは情報を武器に世界をコントロールしようとしているのではないかと疑いたくもなる。背後にあの金髪の誇大妄想ポピュリストが存在している以上、この疑いは晴れない。
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