女性の活躍?2023年07月21日 20:50

 女性の社会進出が進んでいない日本。女性の活躍を保障する雇用システムの整備が急がれる。

 というのは、どうも本質からズレているように思えてならない。

 本当の問題は、「労働者は労働者である前に、みんな等しく家庭人である。」ということを無視していることにある。「一人暮らしの独身者は家庭人ではない」という声も聞こえてきそうだが、住んでいる地域の町内や管理組合からも切り離されて生きていくことはできないだろう。その意味ではすべての人が「家庭人」であり、労働者はその上に一時的・部分的にかぶさっている仮面にすぎない。

 仮面をつける「家庭人」を無視して、「仮面」だけを実在とする考え方が、多くの国や社会の基盤に存在している。「仮面」の下の「家庭人」を阻害した結果が、先進国がひとしなみに悩んでいる少子高齢化を生み出している。「家庭人」を切り離すもっとも極端な仕事は「兵士」だろう。だが、かつて兵士は次世代戦力を生み出すために家庭をもつことを推奨されていたことも忘れてはならない。いずれにせよ人道的には問題のある(だからこそ働くこと=戦争をすることをもっとも嫌うのが優秀な兵士)である。

 女性が社会に進出できていないのではない。家庭人の存在を社会が認めていないのだ。そして、この国では「家庭人」としての重要な役割を女性が担う比率が高いということだ。では男性は?…中身のない「着ぐるみ仮面」である。

 これでは生きにくいはずだ。