マックの一店舗が…2023年07月22日 17:24

 マックの一店舗が、地元中学の全生徒を「出禁」としたという。

 報道によると昨年度から中学生の傍若無人な迷惑行為に困り果てた店は中学へも複数回連絡を入れ、警察にも相談。警察からも学校へ指導する旨の連絡もあったらしい。

 そこまでやっても改善がないのなら、出禁も宜なるかな。すでにお客様ではなく「汚客様」、「お客様は神様」でも、これでは「疫病神」か「貧乏神」、従業員にとっては下手をすると「死神」である。

 だが…マックは中学校の中にある店舗ではない。つまりこれは校外、学校管理下以外の場所での乱行三昧ということになる。本来学校の責任とは言い切れない。たまたま「制服」を着ていたのだろうか。それなら「制服」着用での狼藉三昧は学校への「背信」であり、「信用失墜行為」である。

 学校が指導に直接責任持ってあたることができるのは、敷地内に限られるだろう。敷地外での迷惑行為は企業なら懲戒または解雇である。中学生にも「退学」は法的には与えられるのだが、社会人に対する処罰より発動するハードルは高い。その分指導による改善余地は保証されている。だから「生徒指導」が発動する。しかし、企業がいくら「社員教育」を行ったところで、「社員」やその周囲がズボラでは役に立たない。

 学校の校門に入るまで、また、学校の校門を一歩出たら、生徒指導を実践するのは生徒自身であり、その責任を負うのも生徒自身だ。未成年だというのなら、未成年の後見人は誰かを考えればよい。当然それは保護者だ。学校の外での生徒の不祥事や迷惑行為に対処するのは保護者である。

 マックにしても、警察にしても、なぜ真っ先に「学校」に連絡するのだろう。なぜ「保護者」を呼び出さないのだろう。店員を威嚇するような不届き極まりない生徒がいたのかもしれないが、それなら警察に現認してもらい、補導なりなんなりさせて家庭に直接指導を支持するべきだろう。今どき監視カメラもあるだろうから、迷惑生徒も逃げ隠れはできない。そんな連中を店も警察も保護者も「許さない」というスタンスができていない限り、学校も機能できない。

 飲酒運転や公共の場での喫煙も、社会が許さないというスタンスを取ったからこそ現在のように厳しく指導や処罰、または回避意識が定着している。この状態で初めて啓蒙活動は有効に行える。子供だろうが、未成年だろうが(もちろん高齢者だろうが)、迷惑行為は許されないのだ。いい加減昭和時代の「お客様は神様です」などというキャッチフレーズを捨てる時期だ。さっきも書いたが、この国は八百万の神々の国。神様の中には「疫病神」も、「貧乏神」も、「死神」もいるのだ。

 カスハラが問題になっている昨今、そういう困った存在の芽は早めに絶つべきだ。そして、ことは子供だけの問題ではない。こういう指導を「学校」に丸投げしている社会や保護者こそ問題だ。