ハワード・エンド読了2014年10月23日 23:27

 ハワード・エンド読了

 オースティンの「高慢と偏見」とよく似た雰囲気を保つ作品だ。まあ、英国中級上流階級の話なのだから、当然と言えば当然だ。

 とは言え、この小説の最大の主人公は、タイトルにもあるこじんまりとした田舎の邸宅「ハワーズ・エンド」であり、その家を中心とした中級上流階級と新興ブルジョア階級とのつながりについての物語だ。

 一種のファミリードラマでもあるので、波瀾万丈というわけにはいかない。また、金の重要性についての指摘もユニーク。「衣食足りて礼節を知る」ということわざわあるが、この作品によれば、「財産足りて教養を持つ」とでも言える哲学が開陳される。

 最後にまあまあ丸く収まるストーリーは、現代人の擦れた目からすると、ご都合主義的に見えなくもないが、まあ、そこに目くじらを立てるのは酷だろう。

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