「無双の花」読了2016年09月11日 06:18

 葉室麟「無双の花」を読了。

 筑後柳川の大名、立花宗茂の一代記。手堅い運びの小説で、人徳によって周囲から支えられつつ立つ武将の姿がすっきりと立ち上がる。

 終末近く、宗茂は「世は努めることを止めぬ凡庸なる力によって成り立っておるかと存じまする。」と徳川秀忠に語るシーンがある。「オール・クリア」にも「わたしたちもみな、全員が、“みずからの分”を尽くさねばなりません。なぜなら、わたしたちの行動を通じて、この戦争に勝利が得られるからです。」という言葉がある。

 ジャンルも国も、作者の性別さえ違うが、世界が名もない庶民の日常で支えられていることは世界中で共通なのだ。

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