「12モンキーズ」を観る2018年12月17日 22:28

 テリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」を観る。

 未来世界のキッチュでごみごみして、レトロでチープな雰囲気は、いかにもテリー・ギリアムと言った感じだ。「未来世紀ブラジル」と同じテイストである。どちらの世界もディストピア、怪しげな科学者の登場など、共通点を感じることも多かった。

 タイムトラベルものとしても、よく構成されているし、「プリデスティネーション」のような複雑さも、シンプルなストーリー故に難解になっていない。

 あのブルース・ウィルスが、ウィッグと付け髭をつけるだけで、ヒッピー然としたルックスになったのにも驚いた。ブラット・ピッドの切れっぷりも凄まじい。ケルアックの「オン・ザ・ロード」に登場するイカれたモリアーティもかくやと思える。

 ラストのセリフの字幕だけは、いただけない。言語の持っている含みの意味が死んでしまっている。せめて「仕事は保険屋」ぐらいにしておいてほしかった。「スタートレックIV」のラスト、”welcome home"を「戦艦へようこそ」と訳した字幕と同程度のズレっぷりだ。

 ルイ・アームストロングとピアソラが無性に聴きたくなった。

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