世界にひとつだけの…2020年02月13日 22:38

 花は、この人にとっては残念なものとなってしまったようだ。

 ナンバーワンになったのはいいが、オンリーワンにはなれなかったようだ。彼もまた溺れたものの一人に堕してしまった。それも2回も。これだけはオンリーワンであってほしかった。

 オンリーワンはユニーク、つまりロンリーワンである。ロンリーワンを徹底的に肯定すれば、そこに生まれるのは絶対的自己肯定となる。そこには自己を疑い、否定し、再構築する心はない。自己保全と保身、そして自己の欲望の際限ない肯定と受容があるだけだ。だからロンリーワンはアウトローとなり、社会からはみ出さざるを得ない。その孤独に耐えられないなら、オンリーワンはつとまらない。自己を否定する覚悟と不安をしっかり抱えない限り、オンリーワンはただの甘ったれだ。

 オンリーワンを貫いて再起するには、ロンリーワンの覚悟が足りなかったのだろうか。それとも最初からそんな覚悟はないままに、あの歌を書いたのだろうか。

 私はあの歌が最初から、今でも心底嫌いだ。

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