「吸血鬼ドラキュラ」鑑賞2016年07月21日 23:08

 「吸血鬼ドラキュラ」を鑑賞。

 ドラキュラ伯爵にクリストファー・リー、ヴァン・ヘルシングにピーター・カッシング。古典的な作品である。

 ブラム・ストーカーの原作に出てくる、当時のハイテク機器であった「老患蓄音・録音機」も登場するが、ドラキュラの変身設定はカット。当時の技術では難しく、予算もかかったのだろうが、それを逆手に取って、「棺探し」のサスペンスを作っているのは手堅い演出。

 クリストファー・リーの、ノーブルと獣性が同居するような姿、ピーター・カッシングのストイックな雰囲気は実にいい。制作年代を考えればやむを得ないことだが、特撮は(特にラストは)少々辛いものがある。しかしこの二人がいることで、そのあたりの欠点はずいぶん緩和されている。

 とはいえ、大時代的な作品であることは確か。これで震え上がる現代人はさすがに少ないだろう。ツッコミどころも多い。それでも一見の価値はある。