恐れていたことが…2020年04月05日 23:01

 恐れていたことが現実になってきたようだ。

 新型コロナウィルスはどうやらこれまで考えていた以上に厄介で物騒なもののようだ。大都市部では文字通り危機的状況だし、先の見通しも立たない。

 病気との戦いは教育力の戦いであり、想像力の戦いでもある。正しい医療知識と、その知識をもとにした想像力、それを実行に移す冷静さが必要だ。

 SF小説の大衆化と大衆の科学知識とは比例すると、どこかで読んだことがある。その点ではこの国はもうずいぶんお寒い状況だ。想像力もどうだろう。自分の行動が他人にどんな影響を与えるかを想像する文脈は、他人と自分を比べることを避ける風潮からは逆行した思想だ。自分らしさ、オンリーワンは言い換えればロンリーワン、他者排除にもつながる。冷静さはこの数ヶ月の消費動向を見れば、とても期待できそうにない。

 本当に怖いのは、病気だけではない。有名なコメディアンの命を代償として、やっと本気になった都市部の人々だが、地方ではまだまだ危機意識は薄い。そして危機意識の薄い方へと病気は広がっていく。

 カミュの「ペスト」が売れているという。ついでにコニー・ウィリスの「ドゥームズデイ・ブック」も読むといい。平和な地方の生活が、どのように病気で崩壊するか、その悲惨さもよくわかる。