「チャイルド44 森に消えた子どもたち」を観る2021年12月28日 21:14

 「チャイルド44 森に消えた子どもたち」を観る。

 2015年アメリカ映画。だが舞台は1953年のソ連。スターリン独裁末期の重苦しい粛清続きの時代。輝かしい社会主義国家ソ連には理論的には犯罪は存在しないという妄想を信じなければ命がない社会。そんなソ連に、子供を狙った連続殺人事件が発生する。体制側は理論を優先するために事件をもみ消そうとするが…

 トム・ロブ・スミスの「チャイルド44」が原作だが、この原作もまた実際のソ連(もっとも1970年末から1990年にかけてだが)で発生した子供の連続殺人事件をベースにしている。

 原作に比べ、主人公の設定が変わっているところが、最後までこの映画を左右しているように感じた。原作にある重さ、影が薄まってしまい、またラストも原作と変わらざるを得なくなっている。そのせいか、サスペンス+アクションというスタイルが表に出てしまい、普通のソ連社会告発タイプのハリウッド映画のイメージになっている。後半のバディものスタイルも今ひとつだし、ラストも冗長感が否めない。

 原作のエグいキモを外したせいで、作品のキモも欠けてしまった感じがする。

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