ICT一人負け ― 2023年06月16日 07:03
マイナカードのトラブルに限らず、ICT(というよりITと言われていた時代からずっと)このくには情報環境一人負けに近かった。
携帯電話は「ガラパゴス」と揶揄されるが、世界戦略という視点がなかったのが原因の一つ。携帯端末による決済も最初は世界中からナンセンスと揶揄されたが、気がつけばデファクト・スタンダードとなっている。だが、日本は結局世界をリードしていない。最初に揶揄されたとき、とっとと世界戦略を放棄したからだ。
目先の金に振り回される貧しさは、長期的展望を失わせる。失敗を認めない狭量さはケーススタディを握りつぶす。多くの失敗の上に出来上がったシステムの上澄みだけをいただいてきたのでは、エラーが続出するのは明らかだ。職人の修行と同じで、試行錯誤と言う名の小さな失敗を積み上げないと、物事はうまくいかない。
コスパだ、タイパだ、効率だとしみったれた貧乏臭いことばかり言っていたつけが回ったにすぎない。他国の企業に「買ったほうが安い」とばかりに隷属し、スキルも人材も育てなかった国が一人負けするのは当然だろう。オープンソースの人材も貧困なので、オープンソースの日本語対応も後手後手。結局高いコストをむしられて日本語を使うアプリを他国に依存している。
企業の人材も同じ。社員教育を大学や専門学校に丸投げしておいて、ミスマッチだなんだと文句を言うのは筋違い。自分の社員は自分で育てる。育てた社員に逃げられないような工夫を必死に経営陣は考える。それができなければ人手不足は絶対に解消しない。学生の質が落ちたなどと言っても、そういう連中にものを売りつけて儲けていたツケだ。
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