サマータイム2018年09月03日 22:39

 サマータイム制を導入しようと、なんとも時代錯誤的な動きがあるようだ。実施している諸国が軒並み止めようと言い出しているこの時期に、何を考えているのか、首を傾げてしまう。

 その理由というのがまたふるっている。東京オリンピックのマラソンが高温環境で実施されるので、競技時間を繰り上げるために、国中の時計を早めてしまえということだ。その結果発生する不都合は、ネットワーク時代以前ならいざ知らず、現代では想像を絶する。

 IT企業の景気が良くなるなどという脳天気な発言もある。わざわざそのためだけに追加料金を払いたがる企業などあるものか。無料メンテナンスにさせられて、泥沼に嵌まるのが落ちだ。2000年問題の時、どれほどのIT企業が無償で年越し徹夜作業に従事したことか。

 第一、オリンピックなどという、日本の中ではほんの一部の土地で実施されるアマチュアスポーツの一競技のために、日本中がこんなリクスを犯さねばならない義理などどこにもない。前回東京オリンピックも同様の問題があったため、開催が10月になったという経緯がある。国中の時計を弄るぐらいなら、オリンピックの開催時期を動かすほうが安全かつ容易だ。

 ではなぜそれが嫌なのか。真夏の炎天下でスポーツさせたい理由は何か。少なくともそんな過酷な環境で競技を強いるのは、選手ファーストの発想とはかけ離れている。

 結局、スポーツ界も政治家も、実際にはスポーツ選手をどのように捉えているかが如実に表れたということだろう。この件で本当に怒るべきはIT企業ではない。選手自身だ。

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