「『馬』が動かした日本史」読了 ― 2020年05月06日 20:53
蒲池明弘著「『馬』が動かした日本史」を読了。
馬が軍事力の基軸であるというのは、歴史上言うまでもないことだ。だが、馬を飼育するためには広い草原が必要であり、それは農耕社会とは相容れない。「馬」つまり軍事力は火山灰性の土地で、農耕に適さない土の上に立脚し、それが九州南部、関東一円、東北に該当するというのがこの本の提示している仮説であり、十分納得できるものとなっている。
内容的には連想を多用したアイディアの羅列が多く、史実の裏付けが困難な仮説も見受けられる。取材で訪れた土地の描写も含め、抑制よりも饒舌であり、読者の好みが別れるところか。
朝鮮半島よりも圧倒的多数の馬を飼育していたという日本。東北や九州南部は朝鮮半島に馬を輸出しており、それが突出した豊かさの基盤になっていたのではないかという考え方も面白かった。様々な傍証による今後の仮説立証が楽しみな本だった。
馬が軍事力の基軸であるというのは、歴史上言うまでもないことだ。だが、馬を飼育するためには広い草原が必要であり、それは農耕社会とは相容れない。「馬」つまり軍事力は火山灰性の土地で、農耕に適さない土の上に立脚し、それが九州南部、関東一円、東北に該当するというのがこの本の提示している仮説であり、十分納得できるものとなっている。
内容的には連想を多用したアイディアの羅列が多く、史実の裏付けが困難な仮説も見受けられる。取材で訪れた土地の描写も含め、抑制よりも饒舌であり、読者の好みが別れるところか。
朝鮮半島よりも圧倒的多数の馬を飼育していたという日本。東北や九州南部は朝鮮半島に馬を輸出しており、それが突出した豊かさの基盤になっていたのではないかという考え方も面白かった。様々な傍証による今後の仮説立証が楽しみな本だった。
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