ポピュリストの実態? ― 2023年09月06日 21:48
超狂などという名前で売り込んでいた市議会議員が、女性に性的暴行を加えたという容疑で逮捕されたというニュース。
一種のポピュリストではないかと個人的には思っている。自身も体験した子供の貧困や子育て施策の問題については一家言あったようで、それはまさに自分の「腑に落ちている」問題なのだから、まっとうに議会での発言もできるだろう。複数の選挙戦を経験しているのだから、演説術もそれなりに身についている。
ポピュリストは間違いや与太話ばかりを言うわけではない。彼らの主張の一部は至極まっとうだし、そこに共鳴する人がいるのは不自然ではない。だが問題は、それで得た支持を権力基盤と勘違いして恣意的な権力行使(当然暴力や他者の強制支配を含む)に走る点だ。
虐げられた民衆が革命を起こしたあとの社会を見れば(そして多くの場合革命指導者は民衆にとっての扇動者となり、民衆を引きつける手段はポピュリズムだ)、その後にどのような惨状が現れるか判るはずだ。恐怖政治、弾圧、虐殺…ポピュリストは心のどこかに自分の権力が薄っぺらいものであることを感じている。だからそれを守るために手段を選ばない。かつて生き延びるためには手段を選べなかったのだから。
今回の市議会議員も幼少期は過酷な生活だったという。社会でのし上がるためには手段を選ぶ暇もなかったのだろう。だからといって他人を暴力で支配し、ほしいままに欲望のはけ口にすることは絶対に許されない。その性向は必ず自分より弱いと判断したものに向けられるからだ。
他人を恣意的に、暴力的に支配する者に、権力を渡してはならない。かつてはそうだったとしても、その悪しき伝統は断ち切らねばならない。
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