「日本語全史」読了2018年03月07日 23:24

 沖森卓也「日本語全史」を読了。

 ちくま新書の中でも400ページ超えの大作。お値段もそれなり。

 日本語の変遷を、万葉時代から現代まで、簡潔に述べていくのだが、学校では無味乾燥なものでしかなかった日本語の文法の変遷には、新たな発見もあり、興味深かった。

 印象的なのはあとがき。「社会が変化するように、ことばも変化するものであり、変化の中にこそ人間の真の姿があると言える。その意味で、ことばの乱れ、ことばの揺れ、ことばの変化は、ことばの自然なあり方なのである。」とある。

 巷で何かと耳にする「美しい日本語を守ろう」「最近のことばの乱れは許せない」などという言説が、いかに恣意的で危険なものか、思い知らされるような言語観だ;

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://crowfield.asablo.jp/blog/2018/03/07/8799531/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。