「正直」「公正」2018年08月26日 21:56

 どこかの選挙に出ようと言う政治家が、「正直」「公正」をスローガンにした。道徳教育の基本みたいなスローガンであり、小学生が学校で「道徳」と称する科目の中で学ぶような内容である。

 義務教育で教えこむ以上、世の中の義務教育修了者である15歳以上の国民には、「正直」も「公正」も当然の行動規範であろう。それをスローガンにするのは、当たり前すぎて、スローガンになるのかどうかさえ疑問だ。

 更に面白いことに、その選挙で対抗馬に立つ陣営からは、「正直」「公正」のスローガンは個人攻撃なので不適切だという話が飛び出したという。小学生に教え込むような「正直」「公正」をスローガンにすると、対抗馬を攻撃したことになるらしい。ということは対抗馬候補は「正直」でも「公正」でもないことになる。

 小学生でも身につけることを求められるような基本的な道徳観念をスローガンにする候補、そのスローガンが個人攻撃だと息巻く対抗馬とその陣営。客観的に考えれば小学生以下の罵倒合戦の様相を呈している。

 小学生の学級委員選挙の話なら可愛げもある。もしこれが国政を占うような選挙だというのなら、可愛げどころの話ではない。それとも国全体が小学生レベルに低下しているとでも言うのだろうか。

 「美しい国」までは、遠く果てない迷い道が続きそうだ。