感染症があぶり出すもの2020年04月15日 07:21

 警察ドラマでは、上層部の頑迷さや低俗さはお約束の設定だった。保身、威信保持といった性向が上層部の人間の行動を拘束し、現場を混乱や危険に陥れ、状況を悪化させるのは定番のストーリー展開だ。「事件は現場で起きている」というセリフが有名なドラマに至っては、警察署トップの白痴的キャラクターのあまりのバカバカしさに辟易させられるほどだった。昨今の報道によると、それが現実となったのだから、呆れ果ててしまう。すでに現実はコメディを超えてしまっている。あのヒトラーですら、地位を手に入れてからは地球をあしらった巨大風船で遊ぶようなことはしなかっただろうに。

 巷にはモラルも自粛の意味も理解できていないような人があちこちにいるようだ。溢れているとは言わないが、決して珍しい存在ではない。こういう情けない行動をとる人々の中でも、特に高齢者のそういう姿を見聞きすると、自分は絶対にあんな高齢者にはなりたくないと心から思う。反面教師としてありがたく師事したいものだ。

 アルコールに二種類あることをご存じない方も少なくないという。メタノール(メチルアルコール)が有毒で危険だということは、戦後の食料不足の時代、酒の代わりにメタノールを飲んで死者が少なからず出たことで巷間に知られたはずだったが、それすら忘れている(あるいは知らない)高齢者が多いようだ。若年者に至っては学校の理科あるいは化学で学んでいるはずだが、忘れ果てているのだろう。学校での学習が実生活では根付いていないか、保健・安全に関わる「保健」という科目が受験科目でなないので、無視されている実態が現れているのか。

 今回の感染症があぶり出したのは、どうやら社会と人の心に巣食う病巣のようだ。こちらのワクチンは一人ひとりが自分の心の中で作り出していかなければならないだろう。

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