侵略の代償は2022年03月18日 23:31

 言い分はいろいろあるのだろうが、やはりどう見てもロシアの今回の行動は「侵略戦争」と言わざるを得ないだろう。一気呵成に攻め落として寄り切りの勝ちを目論んだのだろうが、それまでの経緯を考えれば、ウクライナの国民感情がそれを許すとは思えない。

 かつてソ連時代の北方領土交渉で高圧的な態度に出たソ連に、当時の田中首相は「シベリア抑留での犠牲者の遺族がいる限り、簡単にソ連の言い分は受け入れられない」と突っぱね、ソ連側をたじろがせたと言う。現ロシアもそういった人の心をあまりに考えていないような気がする。理想と言うより理屈で凝り固まった結果、人を抑圧し、恐怖政治を展開したソ連と、今のロシアは重なって見える。

 そして、今度の侵略行為でロシア、というより今のロシアの指導者が失ったのは、世界中からの「信頼」だろう。「民、信無くんば立たず」である。それを無視すれば、再び粛清の嵐がロシアを襲うだろう。

 いずれにせよ、苦しむのは庶民だ。多くの庶民は無辜であることを肝に銘じておかねばならない。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は、笑い話で留めなければ。現実にそんなことをするようではあまりに浅はかだ。