「霊魂の不滅」を観る2022年03月23日 21:00

 「霊魂の不滅」を観る。1921年のスウェーデン映画。もちろんモノクロ・サイレント映画だ。amazonプライムビデオで視聴した。

 映画史の中では重要な作品だということだが、なかなか観ることができない作品らしい。ホラーと言えばホラーなのかもしれないが、どちらかと言えばファンタジーのカテゴリーに入るだろう。サイレント映画ではありがちな設定だが、映像でぐいぐい惹きつけてくる。

 音楽は映像に比べて音質が良すぎて、やや軽い感じがしたので途中からカット。サイレント映画だけに何の問題もない。酒で身を持ち崩した男がひょんなことから生死の間をさまよい、幽体離脱して自分の悪行を思い知るというストーリーだが、幽体離脱の二重露出撮影が効果的で、いかにも特撮ですといったチープさを感じさせないのはさすが。

 キューブリックの「シャイニング」のドア破壊シーンそのもののシーンもあるが、どうやらキューブリックが意図的にオマージュしたとの情報もあるようだ。他にも他の映画が影響を受けたのではないかと思われるシーンがちらほらある。製作年から考えてこちらのほうが本家だ。

 ただ、大きな問題が一つ。サイレント映画なので画面全体が字幕となるシーンがあるのだが、当然スウェーデン語なので、画面下に日本語字幕が表示される。この日本語訳がすでに日本語の体をなしていない。「人工無能」翻訳で、かなりの部分意味不明。当時の世相や常識を知識として持っていないと、この字幕では何のことやらわからないことだらけになりそうだ。

 スウェーデン語に堪能な日本人スタッフが監修に携わっていなかったのかもしれないが、せめて「日本語」の監修はしてほしかった。それとも、日本語監修も日本語ネイティブのスタッフではなかったのか…