「異次元の少子化対策」2023年01月19日 21:38

 「異次元の少子化対策」というが…

 確かに児童手当や出産費用のサポートは目に見える、そして効果が見えるのも早い。アピール度も高い。

 しかし、実際はそれよりあと、高校や大学、専門学校への進学が子供の就労や経済的自立に求められているということを忘れてはいないだろうか。

 公立学校では物足りないと私立学校へ早くから送り込み、進学塾に注ぎ込みと、この国では望ましい自立までにかかるコストがあまりに高すぎる。出産費用が高いから、託児・育児の経済的負担が大きいからというのは、少子化の皮相的な局面しか見ていない。

 自己実現のコストもとんでもなく高い。だから若者は「タイパ」なるものに走らざるを得ない。だが、人間関係や親子関係、まして次世代の子供を産み、育てるのに「タイパ」など通用するのか。生きものとしての成長時間に「タイパ」は通用しない。第一「タイパ」などというものが「社会」という集団幻想、バーチャル存在の中でしか存在し得ない。

 自己実現に自分の時間を貪り尽くされる日々を送っている人に、他人と婚姻関係を結び、他人との人間関係を構築し、経済社会では存在を事実上無視されている「家庭」や「子ども」(だって、職場に子どもを連れて行く余地はないでしょう?職場の人事異動が家庭をどれぐらい考慮しているのですか?)を運営していく余力は、今までも(男は外で仕事、女は家と子供を守っていればいいなんて言い草、今でものたまうおっさん、いますねぇ)、このままではこれからも望めない。ましてそこに出産、育児以降にもとんでもないコストが求められ、それに対する援助もなければ、そのコストに耐えられる収入も望めない。

 これで「少子化」が止まろうはずがない。

 大卒求人を出す企業には、就労した大卒生の学費を全額負担させる(もちろん、大学は学費請求を企業に行う)、学費後払い制度も考えるべきだろう。オンラインでの講義が可能なのなら、いっそ大学ランキングなどぶち壊してしまえる。日本中の大学教育者を一括して雇用し、全国規模で共通講義を行い、実習などのみ各個別大学施設で実施するのも一案だ。入試も不要。特色は大学ではなく、授業実施者のものとなる。オンラインなら定員などまったく無意味だ。専門学校も同様。学校間格差を取っ払えば、学習塾で血道を上げて名のある大学合格に突っ走り、合格すると燃え尽きるなどという馬鹿げたこともなくなる。

 企業は職員の社会人教育を自前で行う。社員の出来不出来は自社の責任にする。人材育成をアウトソーシングするなどという馬鹿げたことをやった結果が少子化、つまり将来顧客の喪失を生んでいることにいい加減気づくべきだ。勉強嫌いで低学力の若者でも、短期間で一人前の技術を持ち、積極的にリーダーとして活躍させることができるなど、人材育成に関しては中小企業はとんでもないノウハウをもっている。大企業と称する集団は頭を垂れて教えを乞うが良かろう。

 そこまでやって初めて「異次元」だろう。今の対策ではまだまだ「低次元」だ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://crowfield.asablo.jp/blog/2023/01/19/9556703/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。