「カフカ「変身」」を観る2023年03月03日 22:35

 「カフカ「変身」」を観る。2019年イギリス映画。監督、脚本はクリス・スワントン。

 おなじみのカフカの「変身」(と言っても、名作扱いなので敷居が高くて読んでいない人も多いのでは?)。映画は原作をほぼそのまま映像化している。誠実な作りの映画と言える。

 だが、問題は主人公、グレゴール・ザムザが変身した「虫」。ポスター画像ではどう見ても巨大複眼のハエっぽい造形にしか見えないのだが、これが偽りあり。映像で実際に出てくるのは、薄汚れた灰色の昆虫。それも目はぱっちりした単眼。マンガのような愛嬌のある目がクリクリ。感情移入させたい気持ちはわかるが、これではこの作品には逆効果。

 この虫さえ原作で言う「不快で嫌悪の対象となる虫」に完全に造形されていたら…一歩間違えればモンスター映画になるのかもしれないが…