どうして景気が良くならない?2016年10月25日 22:43

 景気がなかなか良くならないらしい。

 消費マインドが低迷しているだのなんだのと言われているが、果たしてそうだろうか。

 企業は収益を上げ、体質を改善するという名のもとにリストラ、つまり人員削減に走った。構造改革という大カンフル剤は、短期間で喝を入れるようなものでなければ、痛みが増大する一方だったのに、いまだに「人間」に対してはカンフルの打ちっぱなしである。

 人件費削減のもとに、人間を記号や資産、生産システムとしてとらえ、無理無体を「根性がない」「昔はみんなそうだったんだから、お前もそうしろ」と、どこかで聞いたような精神論を振りかざして押し通そうとする。その舌の根も乾かないうちに「激しく変化する現代社会で生き残るには…」など、昔とは違うのだと言うのだから、甚だ日和見主義と言わざるを得ない。まるで第二次大戦中の日本軍の敗戦にいたる体たらくの再現である。こうして優秀なゼロ戦パイロットは次々と死んでしまった。

 記号と化した労働者は、記号と化した消費者でもある。生身の暮らしを削ぎ落とされた消費者が、なにを求めるゆとりを持つだろうか。

 給与アップは言うまでもないが、それに加えて「人間らしさ」「ゆとりのある職業人としての労働環境」も、同時に整備するべきだろう。若い時はそうして当然とばかりこき使い、異性との接触時間も満足に持てない社畜労働を正当化していながら、少子高齢化は問題だなどというのは笑止。それこそ「昔はそういうゆとりがあった」のだ。ゆとりのない貧乏な社会に、好景気などありえない。

 それとも、いまの中高年は、そういう社会的ゆとりすらないほど「貧しい」のだろうか…