ゾンビはコワイ2023年09月27日 21:29

 カネや人気(得票率とも言う)が権力の裏付けとなる。「札束で顔をはたく」などというゲスな行為を表す言葉がすっかり死語となってしまって久しい。資本主義の世の中ではそうなるのも当然と言えば当然か。

 最近は「いいね」などというお手軽な集票システムで自分の支持者がカウントできる。お手軽な支持者はお手軽な支持しかしないのだが、それを勘違いして自分が権力を持っていると妄想し、暴走するこまった勘違い人間も少なくない。

 死んでしまえば過去の権力による腐敗三昧はチャラになるなどという風潮も散見される。死のうが生き延びようが、悪いものは悪い。それをきちんと見極めないと、死者が残した既得権益という腐臭紛々とした権力の恣意的濫用に人々は群がり、貪るようになる。蝗が食い尽くしたあとの耕作地には何も残らない。

 権力者の欲望天国など、醜悪極まりない。まさに腐敗した肉体で数の論理でのさばるゾンビそのものだ。アメリカ映画にやたらゾンビ物が多く制作されるのも、そしてこの国でもゾンビを扱うサブカル作品(鬼滅の鬼も類似)が多く享受されるのも、権力・既得権益ゾンビが現実にウヨウヨいるからなのかもしれない。リアルな現実を痛烈に批判するのに、サブカルほど都合のいいものはない。なぜなら、ゾンビ程度の知能しかない連中に、サブカルが得意とする隠喩やほのめかしは理解できないからだ。

 だが、サブカルもゾンビに犯されてしまったらどうなってしまうのか…

税収増加?2023年09月26日 21:57

 税収が増加するから、国民に還元するなどという話が流れてきた。

 どのぐらい収入が増えるのだろうか。1億人に一人100円還元すると単純に考えて100億円。一人10000円なら1兆円だ。そんなに税収がアップするとは思えない。どんなに頑張っても一人1年数千円平均だろう。もちろん還元対象にならない国民もいるだろうが。

 それより、本来違法税制だが、「金が足りないからお目こぼし」してもらっている二重課税のガソリン税をどうにかしたほうがよほど良いだろう。マイカー所有者の問題だけではなく、運送業や公共交通機関、農業・漁業・林業、政府の大好きな観光業などあらゆる分野に関わる問題だ。基礎控除額も同様。教員の定額働かせ放題の手当よりももっと古い基準で据え置かれたままだ。年間26万円で1年間、憲法が保障する「健康で文化的な最低限の生活」ができるものならやってみるがいい。税収増を待つより、本来むしってはいけないはずの税金を是正するほうがよほどマシだ。

 税収が減るのと、増えた税収を還元という形で支出するのと。当然後者のほうが実入りはいいのだろうが。

万博2023年09月24日 17:21

 前時代的なイベントだとつくづく思う、万博。

 大昔の夢よもう一度というのかもしれない。そう言えば「太陽の塔」がらみのニュースもかなり聞こえてきた。

 だが、インターネットが普及し、世の中がバーチャルなものであることがすでにバレ始めた現在、「モノ」に引きずられ、「場所」が固定される万博がどれほど機能できるのだろうか。国際放送局ですら送信設備の予算や資源消費量より、インターネットラジオや配信のほうが安価で確実に情報を伝達できるということで廃止の方向に向かっているというのに。

 大阪は町工場のものづくりが特色であることはわかる。だが、それを現地にいかないとわからないという状態では生き残りは難しい。万博はネット以前のパラダイムでしかない。そして、今回の万博にネット以後のパラダイムがあるとは到底思えない(パビリオンの物理的建設など、その最たるものだ。金も手間もかかり、数ヶ月しか使えない浪費物より、メタヴァース会場のほうが現代風だろう)。

 人寄せパンダとしての万博には、もはや魅力がないと言える。どうしても日本、大阪にゆかねば体験できないものが、どうしてわずか数ヶ月の寿命しか持ち得ないというのか。いまの会場建設の実態を見れば、ただのイベントとしても一回性、独自性に欠けると言わざるを得ない。

 単に税金を投入するだけの(そして強引に成功と見せかけるのだろう。ジャニーズ問題を考えれば、今のマスメディアにはその程度の信用しか持てない)コケるイベント。数年前の東京の世界大運動会(このときは海外の「ボッタクリ大魔神」がいたが、今回は誰がそうなのか?)同様、迷惑きわまりない。

地方に住むと…2023年09月23日 15:48

 手術を受けて2週間。検診ということで病院へ。

 緊急手術だったので、検診を受ける病院も大病院。自分の住んでいるところからは、平日なら車で90分以上かかる。JRを使っても、最寄り駅までの距離やダイヤを考えればそれぐらいはかかる。

 幸い経過は順調だったが、地方に住むとこういう体の不調に対応するのもなかなか難しい。高齢化して交通手段が自前で確保できなくなったら、当然医者にも満足にかかれない。公共交通機関など、地方ではほぼ崩壊している。タクシー料金を考えればとてもタクシー利用など考えられない。

 国が豊かになったどころか、むしろ今は昭和前半に逆戻りしているのではないか。地方に住むとそんな感覚に時折襲われる。

軽い議員2023年09月22日 20:39

 発言の軽い議員の報道が頻繁に行われている。

 人権意識の低さと古さを露わにして、避難されると謝罪は型どおりにするものの、「信念は変わらない」と開き直る。そしてその根拠として「支持者が存在する」という。

 社会には変化に対応できるものもいれば、対応できないものもいる。だが、一番たちが悪いのは「変化する気がない」連中だ。その裏には自分自身の権益や権力の保持に固執する浅ましさ、または自分自身が被った不利益を次世代が回避することに対する嫉妬(それは自分自身が受けた不利益に対する憎悪の裏返しだ)がある。

 他者を犠牲にした既得権益が許されたためしはない。必ずそれには血で血を洗う報復が待っている。報復の機を待たずに寿命が尽きる「勝ち逃げ」もないことはないが、深い遺恨が長く残ることになる。憎悪の裏返しの嫉妬はすでに感情的しこりであって、理屈でどうこうすることは難しい。これもまた深い遺恨の残るものだ。

 だからといって遺恨や搾取がいつまでも許されるわけではない、どちらも結局はおぞましい報復以外に何も産まない。

 そういうおぞましさを説くどころか、そのおぞましさに安住するために、おぞましい世界に囚われた人々の支持を貪り、それを根拠に自身のおぞましさに目をつぶる。発言が軽くなるのは当然だし、そういう連中を担ぎ上げる人間が無視できないほど存在する社会全体の貧しさも問題だ。

 議員をバッシングするのは簡単だ。だが、投票所に足を運ぶ人々にもバッシングを受ける議員を支持する人が無視できないほどの数存在することを肝に銘じておかねばならない。また、半数以上の有権者がが投票していないのは、果たしてそういう「軽い(=貧しい)」議員ばかりの選挙に愛想を尽かしているからなのか、それとももっとおぞましいことを考えているのか、それも問題だ。

 そして、この貧しさ、軽さは、この国だけの問題でもなさそうだ。世界が、この国が、遺恨と報復の渦に巻き込まれなければよいのだが。