「爆発の三つの欠片」読了2022年03月12日 22:38

 チャイナ・ミエヴィルの第2短編集、「爆発の三つの欠片」を読了。

 取り掛かってからずいぶん時間がかかってしまった。読めない時期もあったのだが、短編集ということもあり、途中でストーリーを忘れて再読ということはなかった。

 全28の短編、シナリオ、エッセイ風文章が収められた短編集だが、どの作品もスッキリと終わったりしない。どこかおぼろで、霧の中に溶け込むような作品が多い。はっきりとすべてが語られるわけでもなく、わかりやすい結末があるわけでもない。

 ホラーテイストの話も、抽象的な話も、もちろんSFも。バラエティに富んではいるが、概して歯ごたえのある作品群。読む側もそれなりのコンディションを整えてかかる必要がある。気力・体力のあるときに、再読、再再読していくことも必要だろう。

 不条理、理不尽といった世界に直面させられる短編集。カビの生えた古臭い、見下される対象としてのSF小説と思って手を出すと、てひどいしっぺ返しを食らうだろう。ミエヴィルの長編はわかりやすいところがあるが、短編は彼のイメージとアイディアの奔流のようだ。うかうかすると流れにさらわれて、ズルズルと闇のなかに引きずり込まれてしまうかも。

 「〈蜂〉の皇太后」「クローラー」「ゼッケン」「キープ」「ウシャギ」「馬」「デザイン」あたりが印象強い。

いつ観るのか…2022年03月13日 16:53

 録画済の大量のBDが山積みになっている。

 家人がTVを専有する時間も長いので、なかなか腰を据えて2時間3時間の作品を観るのは難しい。結果、いつか観ようと思いながら録画し、BDに焼き落とす作品は増える一方…

 残りの人生の時間を考えると…一体全部観ることができるのか…まず無理だろうなと思いながらため息をつく。

 BDの向こうには、いつか読みたい、今買わないとなくなると思って買い込んだ積読本の柱、CDも…以下同文。

 ストリーミングの時代、流通がなくなる心配はずいぶん減ったが、物欲はまだ世の中の流れについていっていない。困ったものだ。

「THE GUILTY/ギルティ」を観る2022年03月14日 22:16

 「THE GUILTY/ギルティ」を観る。2018年のデンマーク映画。

 作品はすべて1部屋(厳密に言えば2部屋か)の中だけ。実際に登場するのも主人公を含め数名のみ。舞台はデンマーク警察の緊急通報指令室。主人公アスガーはどうやら現役の刑事だったらしいが、何らかの事件で裁判を明日に控え、どうやら一時的にこの部署に左遷されているらしい。

 そんなアスガーの端末には、ヤク中やらわがまま野郎やら非常識な連中やらのいたずら電話じみた通報が続く。どうやらデンマークでは日本と違ってここに事件・事故・救急の通報がまとめて来るようだ。いきなり店の名前らしいものを連呼して、すぐにこい、わかるだろう?なんて言われてもわかるはずもないし、自転車で転んで膝を擦りむいたから救急車をよこせなんて、日本なら世間から後ろ指刺されまくりだが、こんな電話ばかりではくさるのもわからないでもない。

 そんな中で、アスガーが取った電話の一つに、明らかに誘拐された被害者と思われる女性の声の電話があった。アスガーは必死になって電話越しに情報を集め、捜査を始めていくのだが…

 北欧の映画では、どうやら警察はあまり頼りにされていないような扱いだが、この作品でもそういう空気は伺える。アスガーの電話対応も、日本ならありえないような乱暴なもの。それでも彼が必死になって捜査する様子はひしひしと伝わる。見ているこちら側も電話越しにしか状況が把握できないのだから、想像力を目一杯働かせるしかない。おまけにこの設定では、音しか情報がないのだから、劇中はBGMなし。電話の呼び出し音がこんなに神経を逆なでする映画も珍しい。

 やがてこの事件の真相はとんでもない方向に向かうのだが…そしてアスガーの明日の裁判についてのことも次第に明らかになるのだが…

 ラストシーン、明確な情報はなにも示されない。解釈は観る側に完全に任されている。上げ膳据え膳で何もかも説明されないと気に入らないという人には、こういう映画は受けないかもしれない。緊張感がもたないせっかちな人にも向かない。アクションもないので、カタルシスはのぞめない。しかし、いい映画だと思う。ハリウッドがリメイクするだけのことはある(リメイクが成功するかどうかは別問題だが、未見なのでこれ以上は判断できない)。

運動不足?2022年03月15日 21:49

 久々に仕事の関係で近くの(と言っても車で1時間以上かかるが)都市に。コロナ禍もあって、最近すっかり足が遠のいていた場所だ。

 気温も高め、天気は快晴、車を近くの駐車場に止めて、会合場所に数分歩く。仕事を片付けてから、ちょっと久しぶりの店をのぞいてみる。ほんの小一時間。そして夕刻車で帰宅。たったこれだけ。

 なのに、妙に体が重い。ずっしりとした疲労感。そして夕食と入浴のあとのけだるさと眠気…明らかに疲労している。

 以前はこんなことで疲労を感じることなどなかったのに…運動不足である。鍛えねば!(加齢による衰えとは考えないようにしている…)

また地震2022年03月17日 22:24

 先日11年が過ぎたという話だった東北に、また大きな地震が起きた。

 お住まいになられている方々の心痛は察するにあまりある。

 寒さが戻ってくるというこの週末、どうかご無事で過ごしていただきたい。