悪いことはしていない2023年08月23日 21:07

 最近、政治家や首長、経営者たちの言い訳でよく聞くのがこの「悪いことはしていない」。冷静に考えてみれば、大人から子供まで、老若男女、よく使う言葉だ。

 問題は、「悪いこと」という認識が本人にないという場合。本人以外には「悪いこと」なのに、当の本人がそのように認識できないのだから、これは永遠に平行線。

 もう一つ、たしかに理詰めで行けば「悪い」と言い切れない行為。というより、どんなろくでもない行為にも理屈のつけようはたいていあるので(盗人にも三分の理というやつだ)、世の中の大半の行為はこちらに含まれる。

 そういった場合、「悪いこと」ではないかもしれないが、指弾されるケースの大半は「恥ずべきこと」である。もっとも大きな顔をして言い訳で言い逃れを図るような御仁に、「恥ずべき」ことを認識できるほどのまっとうなプライドがあるとも思えない。

 これに公私混同や権力性認知性が重なると、いかんともしがたい。こんな大人を見て育つ子供もまた同様。こまっしゃくれた子供は自分自身の鏡でもある。